まちの駅の"わ" ~福岡県まちの駅連絡協議会inあさくら
2007年11月23日、小春日和の青空が広がる福岡県朝倉市。約30人のまちの駅・駅長さんたちが朝倉商工会議所の会議室に集まり「福岡県まちの駅連絡協議会inあさくら」が行われました。この会を企画したのは、甘木朝倉まちの駅連絡協議会事務局長の上野春樹さんです。
全国のまちの駅・駅長さんたちが集う会としては毎年一回のまちの駅全国大会がありますが、遠くで行われる全国大会にはなかなか一般の商店主である駅長さんたちは店をあけて出席できません。でもそういった現場の駅長さんたちに直接声を出してもらって、まちの駅について議論する機会、「顔の見えるおつきあい」での交流こそが必要なのではないでしょうか。
上野さんは何人かの駅長さんからのこのような声を受け、この会を企画することとしました。また会の開催にはわれわれ「まちの駅ネットワークふくおか」も協力させていただきました。そこで以下に簡単ですが、内容を報告したいと思います。
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~司会:梶山祐子(まちの駅ネットワークふくおか)
1 開催地あいさつ ~尾藤長司さん(甘木朝倉まちの駅連絡協議会長/アートの駅・駅長)
「"わ"が大切な時代になってきています。でもまちの駅の"わ"は何も難しいことはなく、気持ちさえあれば、誰でも加わることができるものです。ぜひここでいろいろな交流をして、まちの駅の"わ"を地元に持ち帰ってください」。
2 全国の動向 ~山口 覚さん(NPO法人地域交流センター)
全国協議会の運営体制や全国各地の活動事例が報告されました。
3 まちの駅・駅長さんアンケート一次集計結果(概要) ~手嶋隆行(まちの駅ネットワークふくおか)
既にまちの駅として活躍されている駅長さんたちを前にしてですが、まちの駅についての共通認識をまず持ってもらうために、あらためて「まちの駅概論」、そしてまちの駅の歴史、全国への広がりなどについてお話ししました。その後に、今年の夏に全国のまちの駅に対して行った「まちの駅・駅長さんアンケート」の一次集計(単純集計)の結果について概要をお話ししました。全国の駅長さんたちが、いったいどんな思いでまちの駅に取組始めたか、そしてまちの駅になって自分自身や地域にどのような変化が現れたかなどについて集計した結果をスライド※で報告しました。
※使用したスライドは、こちらでご覧ください。
4 フォーラム「みんなで考えよう、まちの駅の課題」
○パネラー:参加者のみなさん
○コメンテーター:今泉重敏さん(まちづくり計画研究所代表取締役)
○コメンテーター:河井達志さん(鹿児島県まちの駅連絡協議会事務局長)
○コーディネーター:手嶋隆行(まちの駅ネットワークふくおか)
○書 記:山口 覚さん(NPO法人地域交流センター)
最初に地域ごとに、それぞれ代表の方にまちの駅の紹介をしてもらいました。そして県レベルのネットワークの参考事例として、河井さんに鹿児島県まちの駅連絡協議会の組織について事例紹介をしていただきました。
鹿児島県には現在81のまちの駅がありますが、県内を五つの地域ブロックで、それぞれのブロックごとに役員がいて、それぞれ自主的にユニークな事業を企画してお互いい意味で競い合っているそうです。またブロックの力も強くてブロック長会議で県組織全体のことがほぼ決まり、さらにはブロック間の交流もとても活発な様子で、来月行われる「まちの駅めぐり駅長会議」ではいろいろな地域のまちの駅をみんなで回っていき、最後に桜島で温泉につかって交流会をするということを企画しているとのことです。
鹿児島からの報告に続いて、いよいよディスカッションがはじまりました。ここでは「まちの駅の課題」というテーマを持ちながらも、あまりそれにこだわらずに、とにかくざっくばらんに意見を出してもらうことにしました。
まず芦屋町から質問があがりました。県内各地域のネットワークのうち、社会実験の段階でやっていくうちにつながりが崩れ、そのままたち行かなくなってしまった地域はないか、あればその原因は何だろうか、との内容でした。
これに対して今泉さんから次のような答えがありました。「崩れたところは2つあって、ひとつは那珂川町と、もうひとつは福岡県と熊本県にまたがる有明海沿岸の市町村で行ったまちの駅です。ただ那珂川町は崩れたと言うよりもお互いの関係を見直して良い方向へ再構築している段階で、近いうちにまちの駅が再スタートします。今その準備中です。しかし後者についてはまったく立ちゆかなくなってしまいました。これは行政主導で進めてしまったために、実際にまちの駅をやる人たちまで思いが届かなかったことが理由です」。
これに関して、まちの駅を行政主導で進めることの問題点がテーマになりました。行政主導で始めると最初は華々しいのですが、どうしても首長や担当者が代わったりするといつの間にかしぼんでしまいます。そのことについて北九州市若松でまちの駅を進めている区役所の職員の方から、「まちの駅を勉強していたときに、そのようなことを見聞きしていたので、若松では行政は最初からひとりの応援団としてあまり口出しをせずに、ただサポートしなければならないところだけさせていただいています」という報告がありました。また河井さんからも、鹿児島県では「行政は仲間に入りたいなら入れてあげる」といったスタンスで、とにかく民間主導で取り組んでいるというお話しがありました。
ただ一方で「まちの駅には行政も関わっているということで、駅長さんにとっても利用されるお客さんにとっても安心できる要素のひとつとなっているのでは」という意見がありました。特にまちの駅の知名度がまだ低い地域では、行政が持つ信頼性がまちの駅に一定のブランド力を与えていることも確かですので、行政と民間とがよい関係を持ちながらまちの駅に取り組んでいくことが大事ではないかということを、参加者のみなさんで確認しました。
次に宗像市赤間のまちの駅から相談が投げかけられました。赤間では駅前商店街の有志で昨年度からまちの駅に取組み始めましたが、今年から駅前の再開発が本格化したために今はお店自体がなく、さらにこの先いつから営業を再開できるか、そしてトイレを確保できるかどうかよくわからない状態だそうです。そのような中でどのようにまちの駅に取り組んだらよいかという相談でした。
これに対して会場の参加者から、「できる範囲でやればよいのではどうでしょう」、「再開発が終わってできた店からまちの駅を復活させて、できないお店はサポートに回れば続けられるのでは」というアイデアと励ましの声が寄せられました。
さらに続いてトイレに関して、「自分は小さなお店でまちの駅に取り組んでいますが、奧にある自宅用のトイレしかありません。防犯上誰でもそこに案内することに常々不安を覚えていますが、トイレを貸すことはまちの駅にとって不可欠なものなのでしょうか」という質問がありました。
これについても会場の参加者から、「近所の公衆トイレや公共施設のトイレでも、きちんと責任を持って案内できればよいのでは」というアドバイスがありました。また北九州市黒崎のまちの駅から、「まちの駅でトイレを貸すようになって、小さなお店だがとにかく常にトイレをきれいにしています。また四季折々のきれいな花も飾っています。それが知られるようになって、今まで店の前を通るだけだったお客さんが、わざわざトイレに立ち寄ってくれるようになり、そして世間話を交わすようにもなってきました。そのことだけでも大きな満足感を得ることができました」という報告があり、みなさんの心を動かしていました。
5 総括・閉会 ~上野春樹さん(甘木朝倉まちの駅連絡協議会事務局長・ほとめきの駅駅長)
「トイレのことが話題になりましたが、先日甘木朝倉ではまちの駅トイレコンテストをやりました。それが駅長たちのやる気を引き出したのではないかと思います。お客さんが知らないまちに来てトイレを借りるというのはとても勇気がいることです。でもこの不安な気持ちに優しく手をさしのべるのが、まさにまちの駅の原点だと思います。私は常々まちの駅を全国三千ヶ所、九州五百ヶ所を目指そうと言っていますが、どれだけ増えてもこの気持ちを忘れないことが大切だと思っています」。
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この他にも様々な議論が交わされましたが、以上まちの駅ネットワークふくおかからの報告とさせていただきます。
最後にわたしの感想です。最初は会場の参加者とコメンテーターとのやりとりの往復でちょっとぎこちなかったものの、次第に参加者同士で議論が行われ、いろいろな課題に対して参加者が自分の意見を発表するということが繰り返されるようになり、そしてそれらが終始和やかな雰囲気のもとで行われました。このようにまちの駅の"わ"で、まちの駅の課題をまちの駅自らで解決しながら、福岡県のまちの駅はこれからもっと良いものに発展していくのではないかと思いました。まちの駅全国大会も意義あることですが、一方でこういった「顔の見えるおつきあい」のレベルでの交流の必要性についても、今回あらためて感じた次第です。 (まちの駅ネットワークふくおか)


手嶋さん、わざわざ京都から来て頂きましてありがとうございました。多用な中に、早速報告書を書いて頂き感謝しています。
福岡県221箇所のまちの駅に打ち合わせもせずに案内を出して、良く集まって頂いたと感激しています。
「まちの駅」は「道の駅」と違い、人が運営していると言うことを改めて痛感しました。
皆様の熱意でさらに「まちの駅」は発展すると確信しました。上野
投稿: 上野春樹 | 2007年12月 1日 (土) 08:20
手嶋様、活動ご苦労様です。
私の実家は宗像市で、赤間駅のすぐ近くになります。
今後の赤間のまちの駅の活動に期待します。
次回、実家へ帰ることが楽しみです。
投稿: 小川 康裕 | 2007年12月 8日 (土) 01:05
上野さん、小川さん、コメントありがとうございます。「人」が主役のまちの駅。これからも楽しみですね。
投稿: 手嶋隆行 | 2007年12月 8日 (土) 10:36