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2006年1月

2006年1月31日 (火)

雨にもまけず、風にもまけなかった全国大会

2004年10月9日(土)。栃木県宇都宮市。
台風直撃という悪天候の中、開催されたのが「第6回まちの駅全国大会」です。

会場となった宇都宮大学では、参加者の無事到着を祈りながら、スタッフが空を見上げます。
「台風被害に備えて職場待機になった」方もいらして、参加者は100名程度とやや少なめ。でも、昼から次第に強まった風雨をものともせず、北は北海道から南は九州・鹿児島まで、元気なまちづくリストが大集合しました。

まちづくりの悩みを抱え、浮かぬ顔で島根から参加した女性は、2日間の大会で、多くの人から勇気と励ましをもらい、元気な笑顔で会場を後にしました。
「台風のせいでダイヤが乱れ、来るときの新幹線はすし詰め状態。せっかく買った駅弁を食べられず、身動きもとれないまま立ち通しだったのよ。でもいろいろ勉強になったわ。また栃木へもゆっくり遊びに来るわね」との言葉を残し、二人の女性は鹿児島は隼人町へ帰っていきました。

来たときよりも、もっと元気になって帰れる場・「まちの駅全国大会」。
第8回大会が、今週末、福岡県甘木市で開催されます。
今回はどんな出会いが待っているのでしょうか。
まちの駅の魅力を、またひとつ発見できる全国大会が、今からとても楽しみです。

 第8回まちの駅全国大会  
  開催日:   2006年2月4日(土)~5日(日)
  開催場所: 甘木市総合市民センター(ピーポート甘木)

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2006年1月16日 (月)

地道に少しずつ - 黒崎の新しいまちの駅(後編)

黒崎の新しいまちの駅。もうひとつ訪ねたのは「メガネの駅」。その名の通り眼鏡屋さんです。駅長さんは西山康子さん。はきはきと歯切れの良い話し方をされる女性です。彼女も衰退していくばかりのこの歴史ある商店街(ここはまさに長崎街道が通っていました)に少しでもひとを呼び戻そうと、いろいろなことを考えてきたそうです。

彼女がまちの駅に出会ったのも、エルの駅の村上さんたちと一緒に芦屋のまちの駅を見に行ったときのこと。小さな靴屋さんがまちの駅になっていて、そこで70才くらいの駅長さんが店に来た人に温かく声をかけて、会話をしながら実に楽しそうに商売をしている、その姿を見たときに、これが商売の本当の姿なんだと感じたそうです。もちろん、これは彼女自身も日頃から努めてやってきたことで、商店街を通る人に積極的に声をかけるようにしているのですが、このときにあらためて刺激を受け、自分もその仲間としてまちの駅になりたいと思ったとのことです。

西山さんは語ります。「商店街が寂れたって、まわりにひとがいなくなったわけではありません。ひとは相変わらずたくさん住んでいるんだから、そのひとたちにどうやってまちに来てもらうかだけの話。そこに知恵を絞ればいいんです」。

そんな彼女がまちの駅としてもっとも力を入れいているのが、トイレ。「だって、街を歩いててこれがないと困ることがあるでしょう。困ったときに手をさしのべるのは当たり前です」とおっしゃる西山さんにトイレを見せていただきました。掃除が行き届いていてピカピカに磨かれた便器の周りには、お正月らしいディスプレイ。これは、季節ごとに変えており、ついこの前まではクリスマスの飾りでとてもきれいだったそうです。

「何かしないとまちは良くならないんですよ。でもしたからといって、すぐに良くなるものでもない。こういうことは長いスパンで考えないと。でも若い商店主にはなかなかわかってもらえない。彼らは即効性をもとめるんです。年の功ですかね」と、西山さん。

今回黒崎の3つのまちの駅を訪ねましたが、それら駅長さんたちに共通する姿勢がありました。それは「地道に少しずつ」まちの駅に取り組んでらっしゃること。そして遊び心を忘れずにまず自らが楽しみながらやっていることのふたつです。おそらくここのまちの駅の取り組みは長続きしながら、じわじわと効果をあげていくのだろうなと思いました。そして、毎日現場でまちのことを考えながらの彼らの言葉は、どんなまちづくりの専門家が語ったキーワードよりもわたしのこころに響いてくるのでした。

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※写真は「メガネの駅」です。写真左下は、トイレにあった張り紙

2006年1月15日 (日)

地道に少しずつ - 黒崎の新しいまちの駅(前編)

久しぶりに黒崎商店街(北九州市八幡西区)のまちの駅を訪ねました。ここは水口さんと山中さんのふたりの商店主が中心となってはじめ、最初は彼らのふたつのお店がまちの駅になる形で、ふたつだけだったのですが、次第にまわりを巻き込んでいき、今や8つのまちの駅が商店街の通りに沿って展開されています。そこで新しくまちの駅になったお店に行って、いろいろとお話しを聞くことにしました。

その前にまず水口さんの「ふくろうの駅」を訪ねました。先日黒崎のトリビアなネタを集めた「へえ~マップ」を発行した水口さん。もう次なる企画を構想中です。今度は「おひなさまめぐり」。といっても他の地域でやっているようなものでは面白くないと言うことで、ちょっと違ったものを考えてらっしゃるようです。しかもわざと時期をはずして桃の節句が終わってからはじめたいとのことでした。「なぜって?だって、節句前はどこのまちでもやっているから、目立たないでしょう」と水口さん。今日も茶目っ気たっぷりでした。さらに彼はまちの駅について語ります。「常に原点に立ち戻って考えなければならない。それぞれのまちの駅の名前が示す、その駅の特色が何であるかを。例えばここはふくろうの駅。だからふくろうにはこだわっていきたいし、少しずつでもふくろうグッズをそろえていって、来た人にそれをアピールしていきたい。とにかく何かやり続けることが大事」。良い言葉をいただきました。

次に新しいまちの駅へ。ひとつめは「エルの駅」。L寸、つまり大きめの婦人服専門のお店です。駅長さんは村上弘子さん。小さな店にもかかわらず、いろいろな種類の洋服が飾られていて、それでも店の中央にはテーブルがあって、そこで休憩することができます。ただ今は寒いのでそうしているのですが、気候が良くなればテーブルを外に出して、アーケードを通る人に気軽に座ってもらおうと考えているようです。

村上さんがまちの駅をはじめようと思ったのは、水口さん、山中さんのすすめで芦屋町のまちの駅を視察に行ったときのこと。ここと同じくらい小さな店でもまちの駅となって元気にまちの魅力を伝えてくださる。そのことに感銘を受け、自分でも何かやれるんじゃないかと思ったそうです。

そしてまちの駅になってからは、村上さんは「どんな情報を発信することができるか」をいつも考えておられます。目下のところ勉強中なのは「ダイエット情報」。

「これって、結構みんな真剣に尋ねてくれるんですよ」と語る村上さんに、素朴な疑問を投げかけてみました。

「村上さんの話を聞いてダイエットに成功したら、L寸の店の売上げが減りませんか?」。これに対して村上さん。「そうそう成功するものでもないですよ」。と、なかなかお茶目な方です。

さて、まちの駅になってからは、他の駅のみなさんといっしょにまちづくりの企画を考える毎日が楽しいと村上さんはおっしゃいます。水口さんたちとは、同じ黒崎でも商店会組織が違うので、これまで共にひとつのことをすることはなかったのですが、今は同じまちの駅の仲間として楽しくやれる。そのことでいろいろな刺激を受けているそうです。今彼女の頭の中にあるのは、前述の「おひなさまめぐり」の企画。どんなおひなさまを用意しようか、「L寸の店だから大きなおひなさまをそろえようか」などといつも楽しく考えてらっしゃるとのことです。

「まちの駅になってからも、この店に来られるのはお得意さんだけ。だからまちの駅で集客を考えようとは思いません。でもまちの駅のおかげで自分もほんのちょっとだけでも成長できる。まちも少しは成長できるのでは。そう考えてやってます」。

ここでも、良い言葉をいただきました。(つづく)

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※写真は「エルの駅」です。

2006年1月 3日 (火)

地域の元気はひとがつくる

あけましておめでとうございます。今年はどんな年になるのでしょうか。経済界では本格的に景気回復へと向かうということが語られていますが、日本経済が元気になるということは、まずはそれぞれの地域が元気になることであり、その中で元気なひとがいかにたくさん出てくるかだと、わたしは思います。

先日福岡県筑豊地域のある商店街を訪ねました。正月準備であわただしい年末の午後にもかかわらず、アーケードにはひとがまばら。寂しい雰囲気が漂っています。そんななか、地域の農産物を集めた直売所のようなところがあって、そこは比較的にぎわっていました。

中に入ってみることにしました。温かみのある手書きの文字で「○○町の○○さんがつくった白菜」など書かれたプレートの下には、新鮮な野菜や美味しそうな豆腐などの加工品が所狭しと並んでいます。そしてその傍らにはお客さんひとりひとりに声をかけながら、並んでいる商品の説明を丁寧にしている男性がいらっしゃいました。

聞くと彼(Nさん)はこの商店街組合の副理事長さんだそうです。またこの直売所がある場所は以前金物屋だったそうですが、そこが経営難により閉店したため、商店街活性化対策として組合が借りて街の新しい顔として整備したとのことでした。そして、Nさんは本業としてこの商店街で学生服の専門店を経営しているにもかかわらず、副理事長としてここを開いた責任があるため、本業は奥さんに任せて自分はここにかかりっきりになっているそうです。

オープンは約1ヶ月前。そこで「1ヶ月やってみてどうですか?」という質問を投げかけてみました。Nさんは一言、「いやあ、たいへんですね」。農産物直売所は農家がそこまで生産物をもちこむのが普通ですが、ここはぜひとも出品してもらいたい農家にお願いしながらやっているので、毎朝Nさんが軽トラでそれら農家を回りながら集めているそうです。「そこまでしても納得のいく商品を並べたい、そうでないとお客さんに信頼してもらえないから」と彼は語ってくれました。

Nさんは語り続けます。「この直売所をつくるにあたっては、組合の中からもかなり異論があった。でも何かしないとこの街はダメになってしまうといって、何とか開業にこぎ着けた。だから絶対に黒字にしないとみんなから何と言われるかわからない。こういうことは誰かがバカになってやらなければ動かない」。

でも彼は少し恥ずかしそうに語ります。「さすがに(本業を任せることになった)家内からは、いいかげんにしてよ!と大げんかになったんですよ。しばらくここで一所懸命になるから、と言うと」

Nさん(と本業を守っている奥さん)の頑張りのおかげで、朝仕入れた野菜などはほとんど売れ残りがなく、農家からの信頼も少しずつ得られてきているそうです。

地域の元気はNさんのようなひとが毎日現場をはいずり回ってつくっているのだなとしみじみと感じ、わたしは暮れなずむ街をあとにしました。

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2006年1月 1日 (日)

今年もまちの駅でまちを元気に!

みなさま、謹んで初春のお慶びを申し上げます。

だれでも、どこでも始めることができる「まちの駅」。
その多くは、お菓子屋さん、洋品屋さん、薬屋さん、おそば屋さんなどの商店ですが、商店にとどまらないのが、まちの駅のおもしろい所。

元日、たくさんの人でにぎわっている駅があります。
それは神社やお寺。
栃木県の南部・藤岡町にある駅は、「まちの駅・みかも不動尊」。万葉集にも詠まれた三毳山のふもとにあります。
県・北東部の那珂川町には、神社が1ヶ所、お寺が2ヶ所、まちの駅になっています。
「ふくろうの駅・鷲子山上神社(とりのこさんしょうじんじゃ)」は、栃木と茨城の両県にまたがってお社が立つ珍しい神社。守り神のフクロウをかたどった陶器製のおまもりは、「焼物の駅・藤田製陶所」さんの製作です。
樹齢200年の白藤が見事な「出逢いの駅・乾徳寺」は、曹洞宗の禅寺。
「いのりの駅・馬頭院」には、1年に3度花を開く珍しい枝垂れ栗の木があります。なんとこの栗の木は、黄門様でおなじみの水戸光圀が植えたとか。

昨年、静岡県富士市に誕生した22のまちの駅にも、臨済宗の法雲寺が「わきみず寺の駅」として参加。
このように、いくつもの神社やお寺が駅になっているのは、まちの駅が単に商店街活性化のためのツールではなく、「まちを元気にしたい」という人々の想いを、形にするものだからだと思います。

2006年も新春から、栃木県鹿沼市で31の駅がスタートするなど、新しい駅がぞくぞく仲間入りする予定です。
「まちを元気にする素=まちの駅」。
本年もご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

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   栃木・茨城の県境にある 「ふくろうの駅・鷲子山上神社」