久しぶりに黒崎商店街(北九州市八幡西区)のまちの駅を訪ねました。ここは水口さんと山中さんのふたりの商店主が中心となってはじめ、最初は彼らのふたつのお店がまちの駅になる形で、ふたつだけだったのですが、次第にまわりを巻き込んでいき、今や8つのまちの駅が商店街の通りに沿って展開されています。そこで新しくまちの駅になったお店に行って、いろいろとお話しを聞くことにしました。
その前にまず水口さんの「ふくろうの駅」を訪ねました。先日黒崎のトリビアなネタを集めた「へえ~マップ」を発行した水口さん。もう次なる企画を構想中です。今度は「おひなさまめぐり」。といっても他の地域でやっているようなものでは面白くないと言うことで、ちょっと違ったものを考えてらっしゃるようです。しかもわざと時期をはずして桃の節句が終わってからはじめたいとのことでした。「なぜって?だって、節句前はどこのまちでもやっているから、目立たないでしょう」と水口さん。今日も茶目っ気たっぷりでした。さらに彼はまちの駅について語ります。「常に原点に立ち戻って考えなければならない。それぞれのまちの駅の名前が示す、その駅の特色が何であるかを。例えばここはふくろうの駅。だからふくろうにはこだわっていきたいし、少しずつでもふくろうグッズをそろえていって、来た人にそれをアピールしていきたい。とにかく何かやり続けることが大事」。良い言葉をいただきました。
次に新しいまちの駅へ。ひとつめは「エルの駅」。L寸、つまり大きめの婦人服専門のお店です。駅長さんは村上弘子さん。小さな店にもかかわらず、いろいろな種類の洋服が飾られていて、それでも店の中央にはテーブルがあって、そこで休憩することができます。ただ今は寒いのでそうしているのですが、気候が良くなればテーブルを外に出して、アーケードを通る人に気軽に座ってもらおうと考えているようです。
村上さんがまちの駅をはじめようと思ったのは、水口さん、山中さんのすすめで芦屋町のまちの駅を視察に行ったときのこと。ここと同じくらい小さな店でもまちの駅となって元気にまちの魅力を伝えてくださる。そのことに感銘を受け、自分でも何かやれるんじゃないかと思ったそうです。
そしてまちの駅になってからは、村上さんは「どんな情報を発信することができるか」をいつも考えておられます。目下のところ勉強中なのは「ダイエット情報」。
「これって、結構みんな真剣に尋ねてくれるんですよ」と語る村上さんに、素朴な疑問を投げかけてみました。
「村上さんの話を聞いてダイエットに成功したら、L寸の店の売上げが減りませんか?」。これに対して村上さん。「そうそう成功するものでもないですよ」。と、なかなかお茶目な方です。
さて、まちの駅になってからは、他の駅のみなさんといっしょにまちづくりの企画を考える毎日が楽しいと村上さんはおっしゃいます。水口さんたちとは、同じ黒崎でも商店会組織が違うので、これまで共にひとつのことをすることはなかったのですが、今は同じまちの駅の仲間として楽しくやれる。そのことでいろいろな刺激を受けているそうです。今彼女の頭の中にあるのは、前述の「おひなさまめぐり」の企画。どんなおひなさまを用意しようか、「L寸の店だから大きなおひなさまをそろえようか」などといつも楽しく考えてらっしゃるとのことです。
「まちの駅になってからも、この店に来られるのはお得意さんだけ。だからまちの駅で集客を考えようとは思いません。でもまちの駅のおかげで自分もほんのちょっとだけでも成長できる。まちも少しは成長できるのでは。そう考えてやってます」。
ここでも、良い言葉をいただきました。(つづく)

※写真は「エルの駅」です。
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